学生時代は、夏休み・冬休み・春休みと、長期のお休みが3度訪れます。
特に、1ヶ月以上ある夏休みが終わりに近づくと、どんなに学校へ行くことや友達に会うのが好きな子でも、「あ~学校かぁ、やだなぁ」と憂鬱になるものです。
しかし、中にはもっと深刻に悩む子もいます。
クラスでいじめられている(孤立している)
担任の先生とソリが合わない
勉強についていけない
部活の先輩と合わない(いじめられている)
などなど、理由は様々でしょうが、新学期を迎えてまた学校へ通わなければいけないプレッシャーに押しつぶされそうになっているお子さんもいらっしゃることでしょう。
お休みが明けて、いざ学校が始まったという時に、中学生のお子さんから、
「学校へ行きたくない」
と言われた時、あなたならどうしますか?
もしくは、特に理由を告げられないまま登校を拒否した場合。
親御さんが取るべき対応とは、一体どうしたら良いのでしょうか?
中学生の子供が不登校に?!
実は小学生よりも中学生のほうが、不登校になる生徒の数がグッと増えてきます。
小学生では250人に1人なのに対し、中学生では、
35人に1人
となります(平成27年 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査にて)。
クラスに1人はいることになりますね。
中学生に不登校が多い理由に、
環境の大きな変化
が考えられます。
小学校に比べると、全体の生徒数が増え、同時にクラス数も増えます。
中学校3年間で一度も交流がなく終わっていく子も中にはいるくらいですからね。
いくつかの小学校から生徒が集まり、そのたくさんの人の中から新たな人間関係を築かなければならず、また部活動では、上の学年の生徒との交流も待っています。
その中で、先輩と後輩という今までになかった関係も生まれ、時に先輩から理不尽なことを言われることも出てくる可能性もあります(あまりあってはいけないんですけどね^^;)。
そして、教師との関係も大きく変わっていきます。
小学校までは学級担任制だったのが、教科担任制となり、今までより多くの大人と交流していくことになります。
その中で「この先生苦手だなぁ・・・」と感じることも出てくるでしょう。
さらに小学校ではさほどうるさく言われなかった、校則もありますね。
私はアラフォー世代なのですが、「なんでそんなこと?」と思えるような校則はいくらでもありました。
スカートや靴下の長さ。髪の色はもちろんですが、前髪の長さまで。
さらには、冬なのにマフラーの使用が禁止されていました。
そして生徒同士の関係です。
中学生ともなると、趣味などの嗜好性で友達を選ぶようになるので、わりと似た者同士で仲良くなる傾向が強くなります。
そこに入り込めない子も出てきますね。
こうして変化する環境に不安を感じながら、自分の考えを変えたり、新しいことなどに自分が合わせていくことに大きなストレスを感じてしまうということなどが、中学生に不登校が増えてしまう原因なのだと考えられます。
これに勉強が難しくなってくるなどの問題も起こってくるので、生徒にとってはなかなか心の負担が大きいかもしれません。
親の取るべき対応とは?「学校へ行きたくない」と言われたら?
では、不登校になったお子さんに、親御さんはどう対応するべきなのでしょうか?
まず、中学生になった子供の口から、
「学校へ行きたくない」
という言葉がすんなりと出るのは、ケースとしては少ないかもしれません。
中学生はもはや「子供」というわけではないですが、また「大人」にもなりきれていない、大人と子供の中間地点です。
しかし、大人へと日々成長していることは確かですから、ある程度の自分の考えやプライドが出てきます。
『「学校へ行きたくない」なんて言ったら、親は悲しむのではないか』
『自分が学校でいじめられていることを親が知ったら、どう思うのだろうか』
『(勉強ができない・クラスでは目立たないなど)学校での自分の立場を親が知ったら、きっとがっかりするだろう』
などのような考えが邪魔をして、学校へ行きたくないことを言えないままになってしまうケースが多いのではないかと思います。
親にとっては理由はわからないけど、学校には行けない。または行かない。
こういったケースの場合、まずひとつ目に
『子供が学校へ行きたくないという気持ちそのままを理解し、受け止めてあげる』
という親の対応が大事になってくると思います。
そして2つ目、
『言ってくれなきゃわからないでしょ?』
『どうして行きたくないの?!』
と、ナーバスで怒り気味に問い詰めるようなことはしないということ。
実際にこういう場面に出くわしてしまったら、非常に難しいことだとは思います。
本来行くべき学校に行けないわけですから、親御さんも動揺されることは間違いないでしょう。
しかし、そんな動揺がお子さんにつたわってしまっては、
『自分はダメな子供なんだろうか』
と、さらに負のスパイラルに陥ってしまいます。
もし、学校に行けない我が子を見かけた時は「そうか、わかった」と、焦らず対応していただきたいですね。
まとめ
「不登校」という言葉は、ネガティブなイメージでとらわれがちですが、小学校とは違った環境で、様々な変化に対応するために、お子さん本人が一生懸命頑張っている途中経過なのかもしれません。
ただ、本来行くべき学校へ行きたくないとなると、親御さんも心配になるのは当然です。
「行きたくない」という気持ちを受け入れてしまったら、ただの「甘やかし」なんじゃないだろうかと・・・。
しかし、そういう時はカウンセラーのプロの力を借りるのも一つの手です。
悩めるお子さんのために、早い段階で第3者の意見を取り入れるということが有効だと思います。